平成24年文部科学省 大学間連携共同教育推進事業 採択事業 宮城大学・兵庫県立大学「コミュニティ・プランナー育成のための実践的教育課程の構築」(CPEC)

コミュニティ・プランナー・プログラム-COMMUNITY PLANNER PROGRAM-(CPEC)


お知らせ

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3月20日(水・祝)にキックオフ・シンポジウム「コミュニティ・プランナー育成のための教育と実践」が開催されました!
2013年04月11日

3月20日(水・祝)13時より、ホテルメトロポリタン仙台4階「千代の間」にて、宮城大学・兵庫県立大学連携共同教育推進事業キックオフ・シンポジウム「コミュニティ・プランナー育成のための教育と実践」が開催されました。当日は一般の方々や学生、研究者など、コミュニティ・プランナーに関心を寄せる130名を超す方々にご来場いただき、熱心に耳を傾けていただきました。

はじめに宮城大学・学長西垣克より挨拶があり、共に被災地に位置する公立大学である、宮城大学と兵庫県立大学が共同教育推進事業に取り組む意義について触れた。

学長挨拶  宮城大学学長・理事長  西垣克

宮城大学と兵庫県立大学は共に被災地に位置する公立大学として、これからの地域づくりと地域貢献を自らの役割として積極的に取り組んでいる。真に地域の発展を支えるプログラム作りを目指してこの事業に取り組んでおり、今日のシンポジウムも地域の方々との共感づくりの1つのきっかけと考えている。

【第一部 基調講演】 ランドスケープから捉えたエリアマネジメントにおける専門家の役割と育成

【講師】増田 昇 教授 

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公立大学法人大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 緑地環境科学専攻教授(副研究科長)

地域再生の持続性を担保するためには、コミュニティ、環境とともに経済の視点を忘れてはならない。産・官・学・民で10年間にわたって活動してきた取り組みに「堺自然ふれあいの森」(大阪府堺市)がある。2001年から、市民、学識経験者、専門家、行政で構成する検討会でワークショップを重ねて公園のあり方を考え、06年にオープンした。子どもたちに環境学習などのイベントを催していた人たちが市民団体として独立し、現在は里山管理、農作業体験活動などを行っている。毎月、私と行政と市民団体代表が集まって運営会議を開き、活動内容を検証している。公園の維持管理からパーク・マネジメントへの転換していくためには、目標像を明確にし、設計、施工、管理の各フェーズに市民や企業が参画できる仕組みを作ることが大切だ。堺自然ふれあいの森では、こうした活動を担う人材としてパークレンジャーを育成したが、地域コミュニティにおいても活動をマネジメントできるコミュニティ・プランナーの育成は重要な課題だ。

【第二部:シンポジウム】地域コミュニティの今日的課題の解決に向けて 

―コミュニティ・プランナー育成のための実践と教育―司会= 森山雅幸(宮城大学食産業学部・教授

大学間共同教育推進事業の説明 平岡善浩(宮城大学事業構想学部・教授)

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兵庫県立大学と宮城大学は文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業」の選定を受け、地域課題の解決に取り組む人材をコミュニティ・プランナーと称し、その教育課程の構築に取り組んでいる。育成プログラムでは、医療・福祉分野をはじめとする「グリーン・ケア」、生業づくりを目指す「グリーン・ビジネス」、造園、建築、ランドスケープを含む「グリーン・デザイン」の3領域に共通する資質、能力を育て、地域や自治体などのステークホルダーに還元していきたい。

1)問題提起:地域コミュニティの抱える今日的課題    白石市長 風間康静氏

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宮城県南部に位置する白石市は昭和の大合併で1町6村が合併して誕生した人口3万7千のまちで、面積の3分の2を森林が占めている。他の地方都市同様、高齢化に伴う地域の担い手不足は深刻であり、現在「花と緑の回廊づくり」を通じ、コミュニティリーダーとなる人材育成を試みている。

2)取り組み事例: 

①グリーン・ケア  豊田正博氏 (兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科・准教授)

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グリーン・ケアには5つの原則がある。第一が「緑の空間が人を癒す」。日常を忘れ、安心と心地よさを実感できる空間はストレスを軽減する。第二が「植物・動物が人を癒す」。植物、動物に親しむことで五感が刺激を受け、心地よい感情、愛着が形成される。第三が「栽培・飼育が人を癒す」。命あるものと継続的に関わることで自己肯定感が得られる一方、意のままにならないことで我慢も覚える。第四が「創造活動が人を癒す」。東日本大震災の被災者で兵庫県に避難されてきた方を中心に花緑ふれあい体験を毎月行ってきた。第五が「人が人を癒す」。栽培や創造活動をともに行う人との関わりの中で、安心感、仲間意識が生まれる。

②グリーン・ビジネス  風見正三氏(宮城大学事業構想学部・教授)

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地域のコミュニティの再構築を目指すうえで大切なキーワードが地域資源経営だ。地域の歴史、景観など固有の資源をもとに必要最適なものを選択し、新しいまちづくりを行っていくべきだ。東北は東日本大震災によってもう一度自然と人間のコミュニティを再生し、つながりを再構築し、共有財産としての森林地域を復活する機会を得た。コミュニティ・プランナーは地域の資源を発掘しネットワーク化し、生きる力を学ぶコーディネーターとしての役割が求められる。

③グリーン・デザイン  三田育雄氏 (長野大学環境ツーリズム学部・教授)

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グリーン・デザインの概念を、居心地のよい環境、心和む環境、癒される環境、と捉えている。これらは日々の暮らしや仕事によって自然に形成されるものであり、その仕組みをつくることがグリーン・デザインである。足腰の強い仕組みを作り、仕事としての営農活動などで構成される環境づくりを行い、農家、高齢者、域外の多様なマンパワーを活用することが重要だ。短期では成果はでないので、長期に渡って継続していくことも大切だ。